焦っていた。「どこから手を付ければいいのか」と、弱音をこぼしたこともあった。大学時代に故障した股関節や右肩の可動域を広げるトレーニングなどを紹介されると、当初はやみくもに取り組んだ。その姿にケビン氏から「あれもこれもやっちゃダメだ」と指摘された。高校時代や大学時代に成績を残した投球フォームを取り戻すため、順を追って段階を踏んでいった。

 復活への執念は、すさまじかった。昨年オフの優勝旅行を辞退し、今季開幕後は早朝6時半からジムに通った。オフから取り組むメニューを1時間半から2時間かけておさらいして球場に向かった。「1勝や2勝で終わるわけにはいかないので」。ここから、真価が問われる。逆襲へ、なりふり構わずにいく。【木下大輔】