初優勝を狙う国際武道大(千葉県)が90年以来、27年ぶりの4強を決めた。15年夏の甲子園V戦士で「6番DH」の磯網栄登内野手(2年=東海大相模)が決勝打含む3安打2打点の大暴れ。九産大(福岡6大学)に8-2で快勝した。

 磯網は、やっぱり大舞台に強かった。2回に左翼線へ引っ張り先制の二塁打。同点の7回2死三塁では決勝打を放った。「自分はDHなので打たなきゃいけない。打てて良かった。後輩の活躍も刺激になりました」。前日に東海大北海道・赤尾が桐蔭横浜大戦で逆転2ランを放った。その動画を見て、奮起した。

 15年甲子園では「5番一塁」で出場し5試合で打率は5割超え。7打数連続安打も記録した。大学入学後も1年から試合に出たが、12月の練習中に左のこめかみに打球が当たった。頭蓋骨骨折と診断され、その後に虫垂炎まで患った。復活したのは今春も終わるころ。岩井美樹監督(62)は本人の努力を認めた上で「練習できなくても芯で打てる。大したもの。本人には言ってないけど、天才っぽい」と才能にほれ込む。

 磯網の活躍で27年ぶりの4強入りを決め、あと2勝で初優勝だ。磯網は「甲子園の優勝は過去だけど、相模でやってきた経験がある。大学では自分が中心になってやっていくと決めた。1戦1戦大事に、次の試合も勝つ」と頼もしかった。【和田美保】