中日は2日続けて試合の流れをつかみきれずに敗れた。同点の延長10回、田島がロメロに2ランを浴びてサヨナラ負け。森監督は口数少なく、足早にバスに乗り込んだ。

 1-0と先行したが先発小笠原が5回に追いつかれた。マレーロの中越え弾で逆転されるはずが、本塁踏み忘れのアピールプレーにより適時三塁打、同点どまりで済んだ。この信じがたい幸運を、この日の小笠原は勝利への流れに変えられなかった。

 直後の6回に1点を勝ち越し、その裏2死一塁で降板。すでに今季最多115球を数えていた。序盤から制球に苦しみ、球数がかさんでいた。

 森監督が「あれ以上投げさせられないだろう」と言ったように、明らかに限界だった。

 残した走者を2番手伊藤がかえして再び同点。小笠原の2勝目の権利はなくなった。同点で進んだ延長で、苦い結末を迎えた。

 小笠原は2日の楽天戦で左肘手術後の初勝利。しかし、球数の多い投球を続け、イニング数が伸びない。「何も言うことはない。僕が悪いです」。思うような結果を出せない15年ドラフト1位左腕は、悔しさを隠さなかった。【柏原誠】