大ベテランが「走」「攻」で大勝をけん引した。6番左翼で先発出場した楽天松井稼は、3安打1四球で5打点1得点。今季初猛打賞に「こういうご褒美がないと頑張れない。準備したことに結果がついてきてうれしい」と笑顔を見せた。

 初回からもり立てた。1点リードの2死二、三塁。外角チェンジアップをはじき返して右中間を破った。2点を追加し、約1カ月ぶりのマウンドだった釜田を援護。3回1死二、三塁ではファウルで粘り、フルカウントから地面すれすれのシンカーをすくった。打球は前進守備の三塁手を越え、2打席連続の2点適時打とした。

 まだ稼頭央ショーは終わらない。四球をもらった5回だ。三好の二塁打で一塁から猛ダッシュ。「年がいもなく、ハッスルボーイで頑張りました」。直前に自打球を右太ももに受けながら、一塁から一気に生還して6点目のホームを踏んだ。6回裏の守備でベンチに下がるまで、4打席すべてで出塁した。

 スタメン出場は今季7度目。首位と好調なチームにおいて先発機会は少ないが、うち5試合で安打、2試合でマルチを記録している。梨田監督は「なかなか出番はないけど、すごい働きをしてくれた。ベンチでも(若手に)助言してくれて、助かる」と感謝した。打線は今季9度目の2ケタ得点で3連勝。貯金は最多タイの21になった。松井稼頭央41歳、まだまだ一線級だ。【鎌田良美】

 ▼楽天松井稼が今季初の猛打賞。猛打賞の通算回数を178度とし、歴代5位の福本豊に並んだ。パ・リーグの通算回数は福本に並ぶ3位。大リーグでプレーした04~10年に32度マークしており、日米通算では210度になる。1試合5打点は11年8月4日西武戦以来で、6年ぶりの自己最多タイ(過去は日本で5度、大リーグで1度)。