土曜日は負けません! 先発の楽天美馬学投手(30)が7回8安打1失点と粘り、延長11回で日本ハムを2-1で下した。5月20日のロッテ戦から美馬が先発した土曜日は目下、負け知らずの6連勝の快進撃だ。この日、2位ソフトバンクが敗れ、ゲーム差を1・5に再び戻した。開幕からローテを守り続ける「サタデー美馬」の力投が、好調の首位楽天を支えている。

 背番号31には土曜日のマウンドが似合う。「サタデー美馬」が投げると、チームは負けない。初回に1点を失うも、2回以降は低めに集める投球で無失点。7回2死満塁のピンチでは、146キロのシュートで詰まらせ日本ハム西川を遊ゴロに料理した。「前の打席で甘いスライダーを打たれていた。落ち着いていけた。調子はよくなかったけど、ピンチで粘れた」。勝利のバトンをハーマン-松井裕-福山とつないで必勝リレーを完成させ、延長戦勝利をつかみとった。

 楽天好調の要因に「サタデー美馬」の存在がある。3月31日の開幕戦(オリックス)こそ金曜日の登板だったが、2度目の登板以降すべて土曜日に先発し、チーム通算11勝2敗。カードの中日で負けないからこそ、大きな連敗がない。水、木曜日の則本、日曜日の岸と合わせて、チームの貯金をつくる原動力になっている。

 美馬を始めとした投手陣の粘りと、ウィーラー&ペゲーロのアベック弾が飛び出し、2位ソフトバンクとのゲーム差を1・5に広げ、梨田監督は満足げに振り返った。「徳俵でよく踏ん張った。美馬はよく1失点で投げた」。7回1失点に抑えたことで、防御率1点台をキープした美馬は「そういうのを意識するタイプではない。そんなの考えていたら、痛い目にあう」と冷静さを保ちながらも「今日は負けないでよかった」と胸をなでおろした。「サタデー美馬」が万全な限り、楽天の首位は揺るがない。【高橋洋平】