振り返れば、3位DeNAが1ゲーム差まで迫ってきた…。虎がDeNAに痛恨の逆転負けを喫し、連勝は2でストップした。DeNA先発の浜口には、2戦で2勝を献上し、対戦防御率も0・68に抑えられている。いまだ適時打を浴びせることもできておらず、新たな天敵を生んでしまった。嫌な敗戦を吹っ切るのは、今日6日の勝利だけや。

 連敗を脱出した金本阪神に、再び嫌なムードが漂った。今季4戦全勝だった敵地横浜で初黒星。3位DeNAに1ゲーム差に接近された。7月を反攻の月としたいところだが、広島とのゲーム差を詰められないばかりか、ついにDeNAに背後にピタリと迫られるまでなった。またも正念場を迎えることになった。

 新たな天敵の出現が暗い影を落とす。ルーキー左腕、浜口は前回の対決で、たった2安打で7回途中まで無得点に抑えられていた。この日は2回に犠飛で先制したが、後が続かなかった。5回表無死一、二塁では大山がカウント2-0からボール球を空振り。さらに投ゴロ併殺打に倒れた。金本監督は振り返る。「ベンチが待てのサインを出せばよかったが、制限しても…、というのがあった。思い切っていってほしいのもあった」。若さが出たという問いかけにも、「それは仕方がない。こちらが責任をもたないと」と返した。

 浜口に対し、毎回走者を出しつつ攻略できなかっただけに、片岡打撃コーチは「序盤のチャンスがね。追い込まれてしまうと難しいよね」。一気にたたみかけられなかったことを悔やんだ。これで新人左腕には2試合で長打は1本も浴びせておらず、タイムリーもなし。DeNA戦は雨天中止も多く、9月以降に8試合残している。ペナントレース終盤やCSを見据えると、嫌な存在となってきた。

 乗り切れないシーンは守備にもあった。1点リードの4回1死一、二塁。梶谷のライナー性の打球を左翼福留があと1歩届かず、後ろにそらした。照明が目に入ったようにも見えた。一気に2者が生還(記録は二塁打)。逆転を許した。金本監督は「照明が入ったように見えたが、勝負にいって、捕りにいったから。そこを言ったら、全部、止めて待つようになる。そこは結果であってね」と問題にしなかった。勝負に出たプレーだったが、試合は暗転した。

 球宴まで残り6試合。後半戦に弾みをつけたいところだが、初戦を落とした。今日6日に敗れると、DeNAと同率になる。とにかく1勝がほしい。苦しい日々が続く。【田口真一郎】