は~るばる来たぜ、函館へ~。北島三郎の名曲「函館の女」のリズムに乗って? 楽天辛島航投手(26)が、北海道・函館でも白星を手にした。2点リードの6回にレアードに1発を許したが、6回4安打1失点と試合をつくった。「地方球場は5戦目ですが、特別意識することなく自然体で試合に入っていけました」。海風が吹き入れる通称・オーシャンスタジアムで笑顔を見せた。

 各地を“巡業”し、相性の良さを発揮してきた。4月18日の大宮(対西武)、5月16日の秋田(対日本ハム)、6月28日の弘前(対オリックス)で勝利を挙げた。山形で行われた6月6日のDeNA戦は2回3失点と黒星を喫したが、地方球場での戦績は5戦4勝1敗と強さを見せる。試合前に雨天中止となった福島・郡山の西武戦(4月11日)でも先発予定と、「地方=辛島」のイメージがチーム内でも浸透している。梨田監督も「今度の地方開催は富山か。準備させときます」と笑うしかなかった。

 辛島 今年はカード頭に、地方球場での試合が多くて。逆にそういう大事な試合で、自分が投げさせてもらっていることがありがたいです。

 地方球場によくみられる軟らかいマウンドは、足場が定まらずに投げづらいという選手もいる。だが辛島は「別に気にならない」と、うまく対応して白星を積み上げてきた。前夜には函館名物のイカを平らげるなど、イメージをふくらませていた。昨季は3勝(7敗)に終わったが、今季はすでに7勝を挙げ、12年、14年にマークした自己最多の8勝まであと「1」だ。チームとしても今季2度目の5連勝で、貯金を日本一となった13年以来、4年ぶりに球団最多タイの「27」に伸ばした。北の大地から始まった後半戦も軽やかに滑り出し、頂を目指す。【栗田尚樹】

 ▼5連勝の楽天は51勝24敗1分け。貯金27は日本一になった13年に並ぶ球団最多となった。13年の貯金27は9月23日の開幕131試合目(78勝51敗2分け)で、前回より55試合も早く到達した。