阪神西岡がこの日も存在感を発揮した。最終回に中前打を放ち、1軍復帰2戦目で初タイムリーを記録した。3回には右中間に鋭い打球を飛ばし、初の長打となる二塁打。マルチ安打も含め、初モノづくしになった。しかしチームの敗戦に、表情は険しかった。振り返ったのは、打撃ではなく、自身の守備だった。

 「2回の守備で試合をつぶしてしまった。自分の力のなさなので、練習したいと思う」

 試合前には外野で精力的に捕球練習を行った。守備位置は、前夜の一塁からセンターに変わった。2回表1死満塁で、広島石原の浅い飛球にスタートが遅れた。全力疾走で落下点に向かい、ダイビングキャッチを試みた。グラブに当てながらも、落球(記録はヒット)。これが先制点になった。内外野とも慣れないポジションで格闘中だ。それでもチームを引っ張る打撃は頼もしい。