打つべき役者が打っても負けた-。ヤクルトがDeNAに競り負け、7月未勝利のまま13連敗となった。3連戦で初めて先制に成功。同点に追いつかれても、終盤の7回に勝ち越しに成功した。それでも、ダメだった。真中監督は「選手も必死に、目いっぱいプレーした中での結果。残念ですけど、精いっぱい戦った」。そう絞り出すしかなかった。

 直近2試合は合計1得点。打てずに負けた。この日は4番バレンティンが先制13号と一時勝ち越し14号。前夜に続きリードオフマンを任された山田が一時同点14号と、1試合で3発のアーチをかけた。今季2度目の1試合2発と気を吐いたバレンティンは「野球はチームスポーツ。1人が打って勝てるものじゃない。みんなが活躍して勝つもの」と言った。投打がかみ合わなければ、喜びはない。

 積極策が裏目に出た。同点の8回の守備。2死一、二塁と得点圏に走者を背負ったところで、指揮官は守護神ルーキをマウンドに送った。もう1点もやれない。「後半戦まだ投げてなかったし、回またぎでもいけると言っていた。勝負をかけた」。結果、代わりっぱなで桑原に決勝三塁打を許した。投手6人をつぎ込んでも、5点を失った。

 47年ぶりの13連敗で、借金は27まで膨らんだ。先発して5回2失点の左腕石川も、5月18日を最後に白星から遠ざかる。「こういう状況を招いたのも選手。本当情けないし悔しいですけど、プロは結果を出すしかない」。山田は「集中力も切れがちになる。でもプロとしてやるしかない」と気を張った。プロの意地。長いトンネルの向こう側は、まだ見えない。【鎌田良美】

 ▼ヤクルトが1日阪神戦から1分けを挟んで13連敗。ヤクルトの13連敗以上は70年の16連敗以来で国鉄、サンケイ時代を含め通算4度目で、13連敗以上の回数は大洋時代に2度、横浜時代に2度のDeNAに並び最多。今年は5~6月に巨人も13連敗。同一シーズンに2チームが13連敗以上は50年国鉄14連敗と広島13連敗、55年大映15連敗と大洋14連敗に次いで62年ぶり3度目。同一リーグの2チームでは50年セ・リーグの国鉄と広島以来、67年ぶりと珍しい。