西武菊池雄星投手(26)に笑顔はなかった。6回1/3を8安打3失点(自責2)。チームの連敗を3で止め、ハーラートップタイの9勝目を挙げたが、「今日は最低限の投球だった。この回を抑えれば流れが来るというところで、抑えられなかった。本当に野手の皆さんに助けてもらいました」と悔しさをにじませた。

 立ち上がりは順調だった。「初回から調子はよかった」と、1回からこの日最速の155キロをマーク。2回に味方のミスも絡み1点を失ったが、5回までに8三振を奪った。その流れが4点リードで迎えた6回に一転。3安打を集められ、2点を失った。

 安打を許したのは、犠飛を打たれた市川も含めて全て右打者。外角直球をとらえられた。「今日に限らず、(外角直球を打たれる)同じようなヒットが多い。苦しくなった時にカーブやチェンジアップをしっかり使えるか。内角を見せられるか。工夫が必要だった」。続く7回に1死から連打を浴び、走者を残して降板。最後のイニングの予定だったが投げきれず、「ギアを上げなきゃいけないところで上げられなかった。きっちり抑えたかったですが…。悔やまれます」と反省の言葉を並べた。

 辻監督も「(外角を)狙い打ちされたというか、もう1つだったかな。本人も納得していないと思う」と指摘。その上で「これから軸になってもらわないといけない投手」とさらなる奮起を求めた。菊池もしっかり自覚する。自身の勝ち星は二の次。「個人的な数字を気にする必要はない。3位を狙うのではなく、上位に食い込むことを目標にしてやっていかないといけない」。今後は、週前半のカードで楽天、ソフトバンク戦が続く8月に向けて登板間隔を詰める。次回は中5日での27日オリックス戦が濃厚。勝った喜びより、悔しさ残った。課題を成長への糧にする。