ソフトバンクの守護神デニス・サファテ投手(36)が4年連続30セーブのパ・リーグ新記録を樹立した。1点リードの9回に登板。3者連続で空振り三振を奪い、後半戦4連投でチームを4連勝、今季最多の貯金27へと導いた。

 「それだけ自分が強いチームに所属しているということ。皆が自分を信頼してくれていることの証明だと思う。1点差の方が気持ちが入るし、体は全然問題ない。明日ももちろん投げるつもりだよ」

 過去4年連続30セーブを達成したのは9年連続の中日岩瀬だけ。「9年? ゴメンナサ~イ。それは無理…」と笑ったが、ホークスに移籍した14年以降、抜群の安定感を発揮している。

 オンとオフの切り替えがうまく、出番から逆算した徹底したルーティーンが成功の秘訣(ひけつ)だ。試合中盤まではリラックスモード。出番を待つ後輩たちにジョークを飛ばし、場を盛り上げる。8回1死からブルペンで捕手を座らせ、3死になった後、最後の1球を全力で投げ、スイッチオン。毎日ウエートトレーニングを欠かさない一方で、試合に疲労を引きずらないよう、遠征先では朝早くからジムに通う。「とにかくケガをしないよう、自分自身をコントロールすることが大事」。徹底した自己管理で、時に体を休ませる勇気も持ち合わせる。

 工藤監督も「彼の名前を告げた瞬間から安心して見ていられる。いつも変わらない投球ができるのはすごい。1球1球魂を込めて投げている姿を、ただただ関心して『任せたよ』と見ています」と、全幅の信頼を寄せる。今年はシーズン換算で自己最多の49セーブペース。36歳になっても衰え知らず、ケガ知らずの助っ人が、後半戦も9回のマウンドに立ちはだかる。【福岡吉央】

 ▼サファテが両リーグ最速の30セーブ。これでシーズン30セーブ以上は4年連続となり、広島時代の11年を含め、通算5度目。4年連続の30セーブは、05~13年まで9年連続の岩瀬(中日)に次いで2人目で、パ・リーグでは初めて。30セーブを5度以上記録したのも岩瀬(9度)以来2人目だ。