自身の打撃理論を体現した。昨年、チーム内で、けん玉が流行。みんなが目指したのは、小皿から順番に球を移動させ、最後に剣先に突き刺す大技「世界一周」。大谷はドラフト同期の宇佐美に、こう語った。「けん玉と野球は一緒。真ん中を射抜く。その意識が大事」。浮かせた球を剣先で刺す。そのフィニッシュを、打撃のインパクトと重ね合わせて力説。この日も、けん玉理論と重なる本塁打だった。

 北海道日本ハムが誕生した04年、大谷はまだ10歳だった。1000勝という節目の記録に「ここからを大事にしていきたいです」と言った。ここから大谷の本領が発揮される。【本間翼】

 ▼大谷が8回に飛距離140メートルの3号本塁打。大谷はこれまで14年6月29日楽天戦、同7月5日ロッテ戦、16年9月10日楽天戦で135メートルの本塁打を打っているが140メートル弾は初めてとなった。(飛距離は本紙推定)

 ▼大谷の帯広での本塁打は16年7月20日楽天戦以来2年連続で、地方球場では通算3本目。大谷は地方球場で通算打率2割4分も、投手としては6試合の登板で4勝0敗、防御率0・24と圧倒的な成績を残している。