またも勝てなかった。阪神ドラフト2位、小野のプロ初白星が果てしなく遠い。2回に突然リズムを崩した。先頭宮崎への初球の直球が死球に。ここから2本のタイムリーを浴びて3失点。3つのアウトを取るのに打者9人、41球を要した。5回に打席が回ったところで代打を送られた。5回6安打4四死球と乱れた4失点で6敗目。「先頭の死球からの連打を反省しないといけない。勝負球が甘くなってしまった」と悔しそうに振り返った。

 これで0勝6敗。猛虎史にも暗い1ページを刻んだ。1965年(昭40)のドラフト制導入後、プロ初登板からの球団最多連敗は66年久野剛司の6連敗。小野はこの敗戦で半世紀以上、塗り替えられていない不名誉な数字に肩を並べてしまった。新人先発の9戦勝ち星なしも球団ワーストだ。

 それでも金本監督は期待を口にした。「僕としては、何か1つきっかけがあれば、ポンポンと勝ちのリズムをつかめる、そう思わせてくれるピッチャーですけどね」。好投しても援護に恵まれない不運な試合もあった。次回10回目の先発でこそ、指揮官の気持ちに応える投球を披露したい。【山川智之】

 ▼小野がプロ初登板から9試合連続で先発し、0勝6敗。ドラフト入団した阪神の新人投手が初登板から9試合続けて先発したのは94年藪恵市、07年上園啓史、14年岩崎優に続き4人目だが、勝利なしは小野が初だ。また、新人投手がプロ初登板から6連敗は、青木高広(広島)が07年に6連敗して以来、プロ野球10年ぶり。阪神のドラフト入団新人投手では、66年久野剛司6連敗と並びワーストとなった。