今季は打率2割5分7厘を記録し、犠打は5企画で1度も失敗がない。投球以外にもチームに貢献できる方法がある。だからこそ終盤もバットが自然に出た。

 8回1死一、三塁からロペスの打席で低めスライダーを暴投し、月間無失点記録が途絶えた。それでも、全てに完璧とはいかない現実を受け入れ、ロペスから151キロ直球で空振り三振を奪った。「記録はバリバリに意識していた。あの後を抑えられたことがキーポイント」。最少失点で切り抜けて反撃の芽を断った。

 3位チームを2週連続で圧倒した意義は大きい。お立ち台で「僕は諦めていません。勝負の8月、9月。全力で戦い抜きます」と語気を強めた。大局を動かすだけの存在感が、今の菅野にはある。【松本岳志】

 ▼菅野が8回1失点で11勝目。7月の菅野は4勝0敗、29イニングを投げ失点1、自責点1の防御率0・31となり、月間4勝は14年4月に次いで2度目だ。菅野は16年4月に33イニングで失点1、自責点0の防御率0・00をマーク。この試合に完封していれば、2リーグ制後初めての2度目の月間防御率0・00(30イニング以上)となっただけに、暴投で失った8回の1点が惜しかった。