打撃10傑に、広島は4選手がいる。鈴木や丸ら生え抜きの若手だ。その一方で、阪神は原口や高山、北條の伸び悩みが誤算だった。リーグ制覇には、打倒広島は絶対条件だ。球団は超変革路線がファンの支持を得ていると感じ、早々と金本監督に続投を要請。補強だけに頼るのではなく、引き続き、育成に力を注ぎながら、広島に迫るしかない。

 自力Vが消えた一方で、指揮官は今回の敵地3連戦に手応えを感じていた。ドリスが背信投球で3点差を追いつかれた。それでも、投手陣は踏ん張った。「3点差でドリスで勝てなかったのは残念だが、そこから負けなかったのは、僕はそっちの方を評価したい」。

 地元で圧倒的な強さを発揮する広島に対し、1勝1敗1分け。「このスタジアムでカープの勝率を考えれば、この3連戦はよくやったな、というのが正直な感想ですね。相手がどう感じているか分からないが、うちのチームもいいものが出てきている」。首位広島とは10差。だが3位DeNAが1差、4位巨人も5差で追ってくる。残り49試合。可能性がある限り、もちろん首位を追いかける。【田口真一郎】

 ▼阪神は今季94試合目で自力優勝の可能性が消滅した。首位の広島は4日以降、残りの阪神戦8試合に全敗しても、他球団との37試合を全勝なら、最終成績は98勝42敗3分けで勝率7割。阪神は残り49試合に全勝しても、99勝43敗1分で6割9分7厘となり、広島に及ばない。なお金本監督1年目の16年に自力Vが消滅したのは、83試合消化した7月8日だった。