阪神の自力Vが消滅した。3点リードで迎えた9回、ラファエル・ドリス投手(29)が3失点。先発岩田稔投手(33)ら投手陣が踏ん張り勝利目前だったが、終盤にまさかが待っていた。延長12回の末に引き分け、94試合目で苦い夜を迎えた。だが試合は今日4日以降も続く。まだ49試合ある。終わったわけではない。奇跡を目指して、虎よ奮起せよ!

 9回にドリスが3点を失って逃げ切れず、延長12回に及んだ激闘はドローに終わった。痛い痛い引き分けで、自力優勝の可能性が消滅。だが金本監督は「そんなん、別に…」と特別な感想は残さなかった。優勝の可能性が消えたわけではない。ペナントレースをかけた戦いはまだ続く。悲観的な言葉は一切なかった。

 昨年は7月8日に自力優勝の可能性が消滅。リーグ制覇した広島には、7勝18敗と全く歯が立たなかった。今年は1カ月も遅く、現時点で対戦成績は8勝8敗1分けと五分だ。格段にチーム力は上がっている。それでも広島の牙城は容易には崩せない。チーム防御力はほぼ同じ。やはり得点力の差を痛感せざるを得ない。

 阪神が4試合少ないが、チーム得点は「153」もの開きがある。球団首脳は「うちの得点力も上がっているが、それ以上に広島もアップしている。この差を詰めるのは簡単ではない。点でなく、線で底上げしていくしかない」と言う。