1発食らって気合が入った? ソフトバンク東浜巨投手(27)が粘りの投球でリーグトップタイの11勝目を手にした。

 初回。柳田、デスパイネのアーチで3点リードをもらった直後だった。先頭吉田正に2球目の直球を右翼席に運ばれた。「ソロ(本塁打)だったので、切り替えることができた」。目が覚めた。西野、ロメロを三振に仕留め後続を断った。

 「今年一番よくなかった」と振り返った投球内容。ホームこそ死守したが、3者凡退は3回の1イニングのみ。7回途中降板まで、いずれも走者を背負った。チームの勝ち頭。開幕から先発ローテを守り通してきた男にとって、白星にも簡単に笑顔を見せるわけにはいかない。「今日のよかったところ? こういう状況の中でしっかり粘れたところですかね。でも長いイニングを投げないといけない立場ですから。またしっかりと頑張りたい」。そう言って口を真一文字に結んだ。

 初戦のサヨナラ負けの後、守護神サファテが粘れない先発投手に苦言を呈した。頼れる男の言葉に東浜も責任を痛感した。7回途中115球。「中継ぎのみなさんに迷惑をかけないようにしないといけませんから」。昨年は自己最多ながら9勝に終わった。夏場の失速を猛省し、肉体強化に取り組んだ。結果はついてきている。だが、V奪回へ向け、さらに厳しい道のりは続く。背番号16は「結果」と「内容」で先発陣をけん引するつもりだ。【佐竹英治】