終盤に飛び出した日本ハム大谷翔平投手(23)の一打も、勝利には結びつかなかった。楽天15回戦(Koboパーク宮城)は、同点の7回2死二塁で大谷が左前適時打を放って勝ち越したが、直後に宮西が追いつかれ、延長11回にサヨナラ負けした。11試合連続安打の4番の奮闘も実らず、今季9度目の4連敗。首位と30ゲーム差は84年以来で、楽天戦の敵地7戦全敗となった。

 強く握った右拳のガッツポーズから、白星はスルリとこぼれ落ちた。大谷が7回、同点の2死二塁で放った左前適時打は、残酷なサヨナラ負けへつながっていた。「昨日も今日も、もうちょっとかなと思う。頑張りたいです」。最大5点差を1点差まで追い詰めた前夜(9日)同様、接戦に持ち込んだが、落とした。

 大谷は3回にも右前打を放ち、2試合連続の複数安打。4番での出場は7試合目になるが、自身11試合連続安打と、中軸として奮闘している。初回1死一、二塁の好機にも三直。「あれは(バットの)先っぽなのでしょうがないかなと思う」と走者をかえせず納得はしていないが、凡退の打席でも存在感は示している。

 だが4番が機能し、レアードが2戦連発と当たっている中で、勝利につながらないことが深刻。6回1死三塁では、スクイズを狙った大野が高めのボールを空振り。ミスで流れを失っている。栗山監督は「細かいところができていないのは事実。内容はいい(部分)も悪い(部分)もあるけど、勝ちきれないのはこっちの責任」。硬い表情のまま、バスへと乗り込んだ。

 今日11日の移動日を挟み、明日12日からは、昨季優勝を争ったソフトバンクとの3連戦(ヤフオクドーム、京セラドーム)。開幕からちょうど100試合目を迎える。指揮官は言う。「うまくいかなくなっているときが大事」。苦しくても耐え、我慢強く進む姿を、ファンは見ている。【本間翼】