巨人吉川光夫投手(29)が阪神21回戦(甲子園)で6月7日以来の先発。6回8安打無失点で、昨オフの日本ハムから移籍後初勝利を手にした。DeNAが広島に敗れたため、球団ワースト記録を更新する13連敗のどん底を見たチームが、5月29日以来の3位浮上を決めた。

 巨人が高橋由伸監督(42)の来季続投の方針を示した。老川祥一オーナーが13日、都内でのオーナー会議後に指揮官の去就について言及した。今季、3年契約の2年目を終えるが「すでに決まっている話。格別、変更があるとかは全くありません」と契約通り、来季続投の要請を明言。Bクラスであっても「議論する必要もない」と言い切った。

 今季前半戦は球団史に残る屈辱の成績だった。球団ワーストの13連敗で一時、5位まで沈んだ。だが夏場から持ち直し、7、8月は連続で勝ち越し。先発ローテに畠、正捕手小林を脅かす存在として宇佐見ら若手も芽吹いてきた。借金も完済し、11年連続CS進出が見える位置まで戻した。

 老川オーナーは「感心しているのは非常に苦しく、厳しい状況でも耐え抜いてここまで持ってきている」と高く評価した。続投についての意向確認は「今は目の前の一戦に勝つこと。先の話はしてない」とシーズン佳境の状況に配慮している。高橋監督は試合前に「先のことだから。まずは今日、勝つことしか考えてない」と目前に集中した。

 来季は4年ぶりのリーグ優勝が至上命令となる。同オーナーは「来年は今年前半のような苦しい状況にならないようにチームの体制も整えなきゃいけないし、来年こそはぶっちぎりでいきたい」と決意を口にした。