阪神岩貞がクライマックスシリーズ(CS)の先発をかけて、18日広島戦(甲子園)のマウンドに上がる。15日は、約1カ月ぶりに1軍に合流。香田投手コーチは「いろいろな投手が、どういうところで通用するのか。金本監督も気にされていると思うので、いろんな可能性を探っているところです」と説明した。落とせない短期決戦を前に、シーズン中にふるいにかけるテスト登板になる。

 後半戦は4戦4敗で、8月8日巨人戦では4回6失点。試合中に2軍降格と帰阪を命じられた。異例の処遇をバネに、昨年10勝の左腕は前を向いた。ファームでは直球に磨きをかけるべく、キャッチボールからやり直した。8日ソフトバンクとの2軍戦で、金本監督の見守る前で5回無失点と猛アピール。巡ってきた汚名返上の機会に「与えられたチャンスをものにできるように頑張りたいです」と気を引き締めた。

 奮闘しないといけない理由がある。兄貴分といえる安藤が引退を表明した。「寂しいです。チームの中でキャッチボールを丁寧にやられていた。基本の大切さを背中で見せてもらった」。好投こそが先輩へ最高の恩返し。決意新たにマウンドへ向かう。【山川智之】