地元優勝は勝ち頭が決める! 今日16日のヤクルト戦(マツダスタジアム)に先発する広島薮田和樹投手(25)が15日、マツダスタジアムで投手練習に参加。キャッチボールやショートダッシュを繰り返し、優勝マジック1で迎える一戦に備えた。チーム最多の14勝を挙げている広島出身92年生まれの右腕が、91年以来となる本拠地胴上げへ導く。

 大役が回ってきた。3年目右腕の薮田は冷静な口ぶりながら、闘志を燃やした。「(14日の阪神-巨人戦が)延長で同点になった瞬間、自分の番だと思った。順番が回ってきた。やるしかないので、自分のできることをやっていきたい」と表情を引き締めた。

 前日14日はマツダスタジアムの大型ビジョンで甲子園の戦況をファンと見守った。薮田は「(菅野が)降板してから巨人が勝ってくれればと思っていた」。引き分けに終わり優勝マジック1。ただ、もう目の前の試合に勝てば優勝というところまできた。薮田には、さらにもう1つの栄冠も見えてくる。

 薮田は現在14勝。ハーラートップを走る巨人菅野が15勝で足踏みした。「最後の最後まで分からない。いろんなものを求めてもうまくいかない。無心でいつも通り、腕を振りたい」。5月末から先発転向。そこから驚異の追い上げで、勝利を積み上げてきた。自身初のタイトル獲得に向け、勝つしかない。

 練習をする中、マツダスタジアムの上空は厚い雲で覆われていった。16日は台風18号の接近により、雨が予想される。「雨は大嫌いです。対策できない。審判に早く(試合を)止めてもらいます」と苦笑いだった。足場が緩むと投球フォームが崩れ、思うように投げられなくなる。さらに「雨男なんです」と激白。悩ましい問題だが、強い味方もついている。

 プロ1年目の15年は登板日に何度か雨が降ったという。その状況を見かねて今年5月に結婚したモデルのKarunaが当時、てるてる坊主をつくってくれた。今も愛車の中にぶら下げているお守りだ。薮田は「雨が降らず、試合ができることを祈ります」と願った。リーグ連覇、そして薮田の白星を、広島ファンも願っている。【宮崎えり子】