ヤクルトの次期監督候補に小川淳司シニアデイレクター(SD、60)が浮上していることが20日、分かった。高津2軍監督の昇格も有力視されているが、10年途中から1軍監督代行を務め、11年から4年間監督を務めた小川SDの再登板の可能性も出てきた。

 チーム再建に経験値のある小川SDが候補に浮上した。10年に高田監督が5月終盤に辞任。後を引き継いで監督代行を務めた。19あった借金を完済し、シーズン終了時には貯金を4作るなど手腕を発揮。11年からは正式に監督となると畠山や新人の山田を起用するなど、若い戦力とベテランを融合させて2年連続でAクラス入りを果たした。

 現在、チームは中日に敗れて89敗目を喫した。今季は主力に故障者が多く、大幅に戦力が低下。残り8試合だが、球団ワーストの94敗に近づいている。逆境とも呼べる状況で、編成や育成などの方針に関わっている小川SDは現有戦力を正確に把握しており、立て直しには適任だ。

 また求める人物像も合致する。衣笠剛球団社長兼オーナー代行(68)は次期監督について「球団の流れを分かっている人。球団OBでしっかり流れを作ってくれる人」とヤクルトの風土を理解し、長期的に強化が図れる人が適任としている。9年間、2軍監督を務めた小川SDは育成と勝利の両立が可能。経験値は高く、選手からの信頼も厚い。球団は小川SD、高津2軍監督を含めて慎重に人選を進めている。新監督の正式発表はシーズン終了後を予定している。

 ◆小川淳司(おがわ・じゅんじ)1957年(昭32)8月30日生まれ。千葉県出身。習志野3年時に春夏連続で甲子園に出場し、夏は優勝投手。中大で外野手に転向。河合楽器を経て、81年ドラフト4位でヤクルト入団。92年、角とのトレードで日本ハムに移籍し、同年引退。93年にスカウトでヤクルト復帰。96年からコーチ、2軍監督などを歴任。11年から14年まで1軍監督を務め、現在はSD。