3つの誓い-。広島大瀬良大地投手(26)が25日、マツダスタジアムで1人調整を行った。今季最終登板が濃厚な27日ヤクルト戦に3つの目標を立てた。<1>3年ぶりの規定投球回到達<2>2桁勝利をクリアした先にある<3>ポストシーズンの先発枠獲得だ。先発再転向の右腕が今季最終戦で集大成を見せる。

 広いマツダスタジアムを独り占めにした。27日ヤクルト戦に向けた練習は大瀬良ただ1人。遠投で球の回転を確認し、短距離走などで瞬発系筋肉を刺激した。3年ぶりに先発として走り抜けたシーズンはあと1試合。笑ってゴールテープを切るために、やるべきことはすべてやった。

 ここまで9勝2敗、防御率3・76。シーズン規定投球回(143回)までは、あと4回1/3だ。

 「規定イニングは僕の中でも1つの目標だった。2桁もここまで来たら、あと1つ勝てたらいい。今度は内容も結果も残せるように。欲張りにはなるけど、その2つをここまで来たら頑張って達成できればいい」

 3年ぶりにダブル到達を果たした先に見えてくる、もう1つの目標がある。

 「CSで先発のマウンドに立ちたい。1年間ずっと頑張ってきて、外れるのはすごく悔しい。いいものを残して、任せようって思ってもらえるようにマウンドでその思いを表現したい」

 ポストシーズンの先発が確定しているのは大黒柱の野村とチーム最多勝の薮田のみ。大瀬良はジョンソンや岡田らと争う。14年はファーストステージ阪神戦で7回無失点。好投もチームが敗退する悔しさを味わった。再びあの舞台に立つためにも、結果と内容が求められる。

 21日阪神戦から中5日で集大成のマウンドに臨む。前回は5点のリードを守れず、6回途中で降板した。緒方監督からは試合後に「悔しかったら結果を出せ、内容を出せ」とハッパを掛けられた。求められているものは、はっきりしている。1人汗を流した右腕は、自分に言い聞かせるようにうなずいた。

 「勝負どころでの球が甘くなって打たれてしまった。技術的なところだけじゃなく、精神的なところ。自分の中でも整理できるんじゃないかと思う」

 あとはマウンドで実践するだけだ。【前原淳】