ドラフト上位候補がまたまた打った。慶大・岩見雅紀外野手(4年=比叡山)が、法大との4回戦で4回に2ランを放った。リーグ通算18号とし早大・谷沢健一、明大・広沢克己に並ぶ歴代6位タイに浮上した。これで3試合連発とし、リーグ記録の4試合連続に向けて、1週空いて10月7日の明大戦で挑戦する。試合は法大が7-6で逆転勝ちし、今季初の勝ち点を獲得した。

 岩見の本塁打が止まらない。1点リードの4回無死一塁、右横手投げの法大・長谷川の外角直球を逆らわずに右翼席へ運んだ。通算本塁打ランクを連日駆け上がる18号。3試合連続以外に年間9本、シーズン4本もそれぞれの記録に迫る。岩見は量産の要因を「春より“間”がうまく取れるようになった」と説明した。

 プロ球団もその点を評価した。中日石井チーフスカウトは「山崎武司のタイミングの取り方に似てきた。パワーに技術が伴ってきて、とんでもないホームラン王になりそうなにおいがする。子供が喜ぶ選手だね」と長距離砲特有の魅力を語った。

 もっとも岩見は「数字は終わってからでいい」と冷静だ。左翼の守備で失点に絡むなど、逆転負けで勝ち点を落としただけに、勝利につながる一打を自らに課す。10月にはプロ志望届を提出する。仕切り直して、勝負の1カ月に向かう。【石原正二郎】

<岩見が達成しそうな記録>

 ◆連続試合本塁打=83年広沢克己(明大)、04年田中彰(法大)、15年横尾俊建(慶大)の4試合連続にあと1試合。

 ◆年間最多本塁打=94年丸山泰令(慶大)の11本にあと2本。

 ◆シーズン最多本塁打=04年秋の田中彰(法大)7本にあと3本。