阪神掛布雅之2軍監督(62)が指揮を執るラストゲームで、打線が13安打16得点と大爆発、掛布体制の最多得点で“ミスタータイガース”のフィナーレを飾った。

 1回に広島先発加藤の乱調につけ込み5点。2、3回にも2点ずつを追加し、5回にも5点、6回に2点と攻撃の手をゆるめなかった。投げては先発藤浪晋太郎投手(23)が5回1失点の好投で完勝した。

 試合後のセレモニーで、掛布2軍監督があいさつ。この2年間については「ちょっと短かったかな。ただ、若い選手たちが着実に力はつけてきてると思いますし、また1軍での活躍もかなりしてくれましたので、ある程度の成果はあったのかなと。そういう意味では、非常に濃い2年間だったと思います」と手応えを口にした。

 また選手たちには「1軍で活躍してくれる姿を見たときの感動というのは忘れられません。一番の感動は、狩野がユニホームを脱ぐというような気持ちになっていた時期に、僕は(13年10月から)DCという形で2軍のお手伝いするようになりまして、狩野が(14年8月29日の)1軍で、ホームラン含む3安打したんですね。そのときに狩野が『掛布さんに恥をかかせられない。絶対打ってきます』と、そう言ってくれたホームランと、原口が育成で3桁の背番号をつけて、残留でひとり黙々とバットを振る姿。僕にいろいろなことを貪欲に聞いてくる原口。その原口が(昨年5月19日の中日戦で)山田コーチの背番号をつけて(ユニホームを借りて)、右打席に立って打ったあのサヨナラヒット。ああいうところは忘れられませんね」と振り返った。

 一方で、1軍に昇格した選手が2軍落ちしてくるケースも多かったことに「ほとんどの選手が落ちてきましたのでね。これがちょっと寂しいかな、と。もうちょっと力をつけなさい、と言ってあげたいですね」と指摘。「でも、1軍で経験したことってのは、無駄にはならないと思いますので、自分が何が足りないのか、これから何をすべきなのかということを、当然北條たちも、分かってると思うんですね。そういう意味では、これからの北條ってのは非常に期待していいと思いますね」と続けた。

 セレモニー後は、選手たちが胴上げをしようとしたが固辞。スタンドに何度も手を振って背番号「31」はグラウンドを去った。