金本阪神の2位確定は完敗でお預けになった。DeNA先発石田を打ちあぐねて6回無得点。前日は16安打11得点で大勝したが一転、CSで対戦する可能性がある今永、浜口、石田には今季3勝7敗で、左腕が苦手な不安材料が浮き彫りになった。今日30日からは巨人2連戦(東京ドーム)だが、Aクラスがかかる宿敵も総力戦で挑んでくる。生みの苦しみを糧に、3年ぶりにCSを甲子園で開催できる権利をつかみ取りたい。

 よもやの完敗で、2位確定はお預けとなった。先発メンドーサと岩崎がそれぞれ3点を失い、中盤で計6失点。前夜は11得点で爆発した打線も反発力を見せなかった。毎回安打を放ちながらも、2点止まり。つながりを欠いたことを問われ、金本監督は「ですね。そういうことですわ」と静かにうなずいた。

 3位DeNAとの敵地3連戦は1勝1敗1分けに終わった。順位争いを見れば、2位はほぼ手中に収め、納得の結果と言える。しかしCSを考えれば、不安は残る。初戦では天敵の浜口から3点を奪ったが、この日は石田に6回を無得点に抑えられた。甲子園での前回対戦も、今永、ウィーランドに封じ込められ、嫌なイメージを植えつけられた。特にDeNAの先発左腕には3勝7敗と分が悪い。石田という選択肢を増やしたのも、マイナス材料だった。指揮官は常々、こう言う。「打てなかった、いいピッチャーだった。ハイ、終わりでは、成長はないから」。相手先発が好調時でもいかに打ち崩すかはチーム全体の課題だ。特に前日28日は井納を圧倒しただけに、勢いを持続させたかった。

 きょう30日からは敵地で巨人2連戦が待っている。CS進出に望みをつなぐためにも、相手は総力戦を仕掛けてくる。しかも前回対戦で苦戦した畠をぶつけてくる。金本監督は語気を強めた。「もちろん、こっちも(総力戦は)同じですから。まずひとつ勝てるようにやるだけ」。2位確定までマジック「1」であることは変わりない。短期決戦を見据え、打線がいかに好投手を攻略できるか。2位を確定させ、同時にCSの課題も克服したい。東京ドームでの2試合は、今後を占う重要な戦いになりそうだ。【田口真一郎】

 ▼阪神は今季のDeNA戦で、石田、今永、浜口の先発左腕3人に計7勝を献上。3人相手の対戦打率は2割3分5厘(307打数72安打)で、他のDeNA投手との2割6分1厘から悪化する。なお3人のカード奪三振率は8・93で、ほぼ1イニングに1三振を喫している。

 ▼阪神の2位決定は最短で今日30日となった。阪神が巨人戦に○または△なら、DeNAの結果と無関係に確定。阪神●でも、DeNAが広島戦に●なら決定となる。阪神が2位となれば、14年以来3年ぶり。同年はCSを突破し、日本シリーズに出場している。