あるぞ、桑原の5回投入! 阪神鉄壁のリリーフ陣が、スクランブル態勢でCS突破を目指す。今季は球界で初めて、6投手が50試合登板を達成。敗戦投手不在のブルペンはハイレベルだ。

 7回以降は桑原-マテオ-ドリスとつないだが、短期決戦では固定観念にとらわれない。金村投手コーチは言う。「全員が勝ちパターンでいけるのが、強み。ファイナルに進めば、カープ打線との相性もハッキリしている。流動的にいく可能性がある」。守護神はドリスで固定するが、他の投手に関しては、型にこだわらず、スクランブル態勢で臨む方向だ。

 特にファイナルステージに進出した場合は、強打の広島打線が相手になる。エースのメッセンジャーでさえ、対戦防御率は4・18と先発陣は苦戦してきた。短期決戦では、継投のタイミングが勝負の明暗を分ける可能性がある。小野ら第2先発を置く用意をしつつ、セットアッパーの早期投入も見据える。桑原の5回起用の可能性を問われ、金村コーチは「それもある。8回がマテオじゃない場合もある」とあらゆる事態を想定する考えだ。広島には藤川、石崎も安定した成績を残しており、終盤の重要な局面での起用は十分ある。

 金本監督は「リリーフが抑えれば、ウチは勝てる。今年はそういうチーム」と2位躍進の原動力に挙げていた。生命線の救援陣をいかに起用するかが、下克上の鍵を握る。【田口真一郎】

 ▼阪神の主力中継ぎ5投手は今季、DeNA戦は全員が好結果を残しているものの、広島戦ではばらつきが見られる。防御率は藤川0・84と堅調だが、マテオ6・00と苦戦。藤川は広島戦被打率1割5分6厘で、他球団との2割2分2厘から良化。マテオは広島戦被打率2割8分で、他球団との1割9分9厘から悪化する。