阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)がレジェンドを目指す。きょう14日のDeNA戦で先発先陣を切る。8月10日に右足腓骨(ひこつ)を骨折したが、手術と驚異的な回復力で戦列復帰。01年のランディ・ジョンソン(ダイヤモンドバックス)が目指す世界一へ短い登板間隔も辞さなかったように、不死鳥右腕も下克上日本一に全力で挑む。

 「監督とは話をしている。どんどん使ってもらいたい。すぐに手術を受けたのも、ここで投げるためだったんだから」。13日、甲子園での練習を終えたメッセンジャーは意気込みをそう語った。「チームを勢いづかせるために(初戦が)重要だと思う」。レギュラーシーズン最終戦の10日中日戦から中3日で開幕投手を務め、状況次第ではその後の登板間隔を詰めてでも日本一を取りに行く。金本監督は「調子がいいのに、わざと(マウンドから)下げることもない。それが短期決戦だと思う。良ければ、100球を超えようが、110、120球いこうが、球威が落ちなければ投げてもらう」と全幅の信頼だ。

 01年のワールドシリーズで、ジョンソンは7試合中3試合に登板して世界一を勝ち取った。昨年の地区シリーズでは、ドジャースのカーショーも5試合中3試合に投げてリーグ優勝決定シリーズに導いた。記憶に残るメジャーの大エースの快投。日本一をつかむためなら、メッセンジャーも何度でもマウンドに上り、新伝説を作る。【堀まどか】

 ◆01年ワールドシリーズのジョンソン 対戦相手はヤンキース。初戦をシリング、2戦目をジョンソンで取ったが、敵地に乗り込んで3連敗。後がない状況で本拠地に戻り、第6戦でジョンソンが先発、7回6安打2失点の好投で3勝3敗のタイに戻した。翌日の第7戦はシリングが先発し7回1/3を2失点。バティスタをはさみ8回2死からジョンソンが連投で登板。1回1/3を完璧に抑えた。すると、1点を追う9回にヤンキースの守護神リベラを攻略し、2点を奪って逆転サヨナラ勝ち。球団創設4年目で初の世界一に輝いた。ジョンソンはこのシリーズ3勝の活躍で、シリングとともにMVPに選ばれた。