金本阪神が逆王手をかけられた。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦でDeNAに6-13で敗れ、1勝1敗に持ち込まれた。雨のため試合開始が大幅に遅れるなど両軍泥まみれの決戦で、執念の継投も攻撃も勝利に届かなかった。今日16日も悪天候が予想されるが、開催されれば、勝つか引き分けでCS突破が決まる。

 試合後の会見場で、金本監督は大きく息を吐いた。泥にまみれた乱戦の末、負けた。「いつ試合が中止になるか分からん状態だったから。早めにいかなアカンと思いつつも、9回までいったら、というのも両方考えないといけなかった。しんどい試合だった。考えることが多くて」。苦い表情で振り返った。

 屋台骨のリリーフ陣をいかにやりくりするかに苦しんだ。先発秋山を3回2失点であきらめ、継投に打って出た。試合成立の5回終了までに、少なくとも同点に持ち込む必要がある。最少失点で切り抜けるためには、やむを得ないゲームプランだった。しかも延長戦も見据えなければならない。中継ぎには1回でも長く投げてほしい状況だったが、悪条件の中で本領を発揮できなかった。2番手の岩崎は2イニング目につかまり、5回途中で投入した石崎も打たれた。

 同点の7回には桑原が乱れた。雨で打球が止まるアンラッキーも重なり、7安打で6失点。指揮官は「桑原の所は、(不運が)2本あったな。でもお互いに同じ条件ですから。言い訳できない」と、現実を受け止めた。9回には前日に好投したマテオも3失点で、一方的な展開になった。リリーフをつぎ込みながらも、13失点。攻撃面ではグラウンド状態を見極め、6回にスクイズを決めるなど、執念を見せたが、鉄壁のリリーフ陣の乱調が痛かった。

 それでも、金本監督はナインを責めることもなかった。「選手は見ていて気の毒で、申し訳ないというかね。おれがやれと言ったわけじゃないが、気の毒だった」。1勝1敗でDeNAに逆王手をかけられた。確率的には優位な状況は変わらないが、相手打線を目覚めさせてしまった。「いいコンディションで総力戦でやっていきたい」。ファイナル進出の条件は勝つか引き分けるか。金本阪神が、第3戦にすべてをかける。【田口真一郎】