ギータの穴は13年首位打者が埋める。ソフトバンク長谷川勇也(32)がCS前最後の紅白戦で本塁打を含む2安打4打点と大暴れし、出場を猛アピールした。

 崖っぷちだった。ここまで紅白戦3試合は8打席で7打数無安打。CSメンバー落選もやむなしの状況だった。

 15日は紅組の「7番左翼」で出場。初回2死満塁から寺原の直球をとらえ、左翼フェンス直撃の3点二塁打。続く4回の第2打席では岩崎のフォークを左翼ポール際スタンドへライナーで突き刺した。「(岩崎)翔から打てた。タイトルホルダーからなので自慢しておきます。試合に出られるチャンスは自分で増やすしかない。そういうヒットだったと思う」。

 今季も右足首痛に悩まされ、思うような打撃ができず、わずか23試合の出場に終わった。打率2割1分6厘、2本塁打、7打点。ファーム暮らしが長かったが、前を向いてやってきた。「バットは振ってきた。やってきたという気持ちの支えはある」。福岡・筑後市のファーム施設で全体練習後にひとり黙々とマシン打撃に打ち込んできた。

 藤本打撃コーチは「(CSメンバーが)すごく決めづらくなった」とうれしい悲鳴をあげた。ベンチ入り野手は15人の予定だが、18~19人が同行する。長谷川勇は城所、吉村、江川らとベンチ入りを争う。柳田不在となればスタメン出場の可能性も十分ある。「試合に出た中で、自分の打撃を出し切れるようにしたい」。リーグ優勝に貢献できなかった選手会長が、ポストシーズンでしっかり貢献する。【石橋隆雄】