クリロナ似の快速ボーイが、虎の遊撃争いに殴り込む。阪神からドラフト3位指名を受けた立大・熊谷敬宥内野手(4年=仙台育英)は「どんなときでも走れる決断力を身につけたい。チームを救える走塁で貢献していきたい」と、自慢の走力でポジションをつかむ意気込みだ。「守備位置は違うけど(阪神OBの)赤星選手に憧れている」。50メートル5秒8の俊足で、スピードスターとして1軍の舞台へと切り込む。

 強靱(きょうじん)な脚力を身につけたのは中学時代だ。「自転車で坂道を1時間くらい上って通学していたので、足の筋力がついた。毎朝6時くらいに家を出ていたと思います」と野球のためなら早起きも苦にしないイケメン。しかし「休日は基本的に部屋を出ない」というインドア派であり、動画投稿サイト「YouTube」を見ることが多いそうだ。野球の映像をチェックするのはもちろん、お気に入りはサッカー動画であり「レアルが好き。(顔が)クリロナに似ていると言われるとうれしい」と指名後は笑顔をはじかせた。

 仲間から胴上げで祝福された直後には「将来的には日本を代表するショートになりたい。まずは、開幕1軍を目指して練習していきます」と“クリロナ級”の目標設定を課した175センチの大物だ。

 ドラフト1位で同じく阪神に指名された馬場は、仙台育英時代の球友。「(指名後は)まだ、連絡は取れていませんけど。また甲子園で(馬場の)後ろを守りたい」。描いた青写真まで、全速力で駆け上がる。【真柴健】

 ◆熊谷敬宥(くまがい・たかひろ)1995年(平7)11月10日生まれ。宮城県仙台市出身。小学3年時に南光台少年野球クラブで野球を始める。仙台育英-立大を経て、17年ドラフト阪神から3位指名を受けた。今春には主将を務め、東京6大学リーグで盗塁王を獲得し、チームを59年ぶりの大学日本一に導いた。家族構成は両親、姉、弟。175センチ、72キロ。右投げ右打ち。