ソフトバンク打線の「必勝パターン」が崩れ、日本一はお預けとなった。前日まで初回に1番柳田が安打→先制ホームインという形で、3連勝を飾っていたが、この日の第1打席は二ゴロ。そのまま鷹打線は、DeNA先発浜口に8回1死まで無安打無得点。ベテラン鶴岡が代打で登場し、なんとか初安打を放ったが、3投手の継投の前に0封負けを喫した。

 浜口にはチェンジアップ、フォークを使い分けられ翻弄(ほんろう)され続けた。柳田は8回の内野安打1本にとどまり「不思議な感じですね。悔しい。もう1回やりたい。昨日(第3戦に)勝っておいて良かった。そんな毎日は打てない」と残念がった。工藤監督も「緩急にやられた。狙い球が絞れなかった。うまくいかない時もある」。今日の第5戦も左腕石田の先発が予想されるが、シーズンでソフトバンクは対左投手に打率2割6分8厘と、対右投手の同2割5分6厘より好成績。左腕アレルギーという言葉はあてはまりそうにない。

 あと1勝で日本一という有利な状況にかわりない。工藤監督は「今日も勝ちにいったが、先制され、流れを持ってこれなかった。また明日(2日)対策を練って動いていけるようにしたい。明日頑張ります」。今日2日こそ日本一を決める。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクが日本シリーズで無得点に抑えられたのは、ダイエー時代の00年第5戦で巨人の新人高橋尚に2安打で完封されて以来、29試合ぶり。チーム1試合2安打もこの時以来で、シリーズでは球団最少タイとなった。

 ▼ソフトバンクは日本シリーズ4試合で、左腕投手を相手に1割6分4厘。CSファイナルステージ楽天戦での1割7分3厘と合わせ、ポストシーズン計1割6分8厘と苦戦が続く。CSでの3勝(アドバンテージ1勝を除く)はいずれも相手先発が右腕の試合で、2敗はともに左腕先発相手の試合。DeNAの左腕今永が先発した日本シリーズ第2戦では勝ったものの、今永には6回1失点と好投を許していた。