大型二塁手になれる! 阪神大山悠輔内野手(22)が3日、高知・安芸での秋季キャンプで初の特守に臨んだ。今秋から本格挑戦している二塁守備で軽快な動きを披露。金本知憲監督(49)は小久保裕紀氏やヤクルト山田クラスの大砲二塁手になれると絶賛した。打撃練習ではロングティーで左翼方向に場外弾を連発。3連休の初日に詰めかけたファンに「大山警報」が発令された。

 タテジマのユニホームが土で真っ黒になった。サブグラウンドで行われた特守。二塁守備に就いた大山は、右に左に振られる打球を鬼の形相で追いかけた。近くでは金本監督がにらみを利かせる。一、三塁が本職とは思えない堅実な守備で次々と捕球。「まだまだです」と謙遜したが、アピールには十分な内容だ。

 これには大山の複数ポジション案を掲げた金本監督も深くうなずいた。

 金本監督 まずは競争だけどね。もともとサードをやっていて、逆方向のファーストでもうまかった。肩も強いし、送球もいい。守りに関してはいいものを持っている。チャレンジさせたい。今だったら、大型は誰かな。山田とか小久保も昔はセカンドだった。浅村にしても。

 指揮官の口から出てきたのはスターの名前だった。侍ジャパン前監督の小久保氏はダイエー(現ソフトバンク)時代の95年に二塁手として本塁打王を獲得。ヤクルト山田は15、16年と2年連続トリプルスリーを達成。そして猛打を誇る西武のキャプテン浅村…。そんな一流選手に大山の姿を重ね合わせた。

 誰だって期待したくなる。キャンプ2日目のこの日もホレボレするような放物線を描いた。メイン球場の三塁ファウルゾーンで行われたロングティーでは左翼ポール際に130メートル級の場外弾を連発。左翼96メートルの後方にある約8メートルの防護ネットを軽々とオーバー。指揮官もその飛距離に驚いた。

 金本監督 (自分は)ロングティーはうまく飛ばせなかった。今の選手は、よっぽどうまい。今の選手を見て、ロングティーの飛距離はすげえなと思う。

 規格外の飛距離。祝日で詰めかけたファンがケガしかねないとあって、チーム関係者から「危ないから左中間方向に打ってくれ!」とお願いされ、警備員も緊急出動したほどだ。

 金本監督 ヘッドを利かせて(ボールを)運ぶ。いいポイントで、とらえるものをもともと持っている。あとは体に力がつけば。

 大山には天性の打撃センスと飛距離がある。二塁本格挑戦で大きく広がった可能性。プロ2年目、背番号3がレギュラーを全力で取りにいく。【桝井聡】