和製大砲覚醒に手応え! 阪神金本知憲監督(49)は高知・安芸での秋季キャンプ打ち上げ日となった19日、中谷将大外野手(24)、陽川尚将内野手(26)の本格ブレークを予告した。今季20本塁打の中谷には「彼なら絶対に打てる」と来季30発を期待。今キャンプで実戦3試合連発を決めた陽川も、三塁、一塁のスタメン競争に向けて「チャンスはある」とハッパをかけた。

 安芸の大海原に夢を描きたくなる。秋季キャンプ打ち上げ日。金本監督は窓越しに太平洋を見渡せる一室で、和製大砲2人の覚醒を予告した。「野手は陽川もひょっとしたら、というのがある。陽川、中谷がもう1歩(上に)行きそうな気がしますね」。中谷に関しては来季30発の可能性にまで触れるほどの期待値だ。

 金本監督 彼なら絶対に打てると思う。打てるとずっと思っているから期待もしてきたしね。今年の2割4分(1厘)、20本というところが終着点ではない。

 上がり目を感じ取るからこその“予言”だ。キャンプ中もフリー打撃では右打ちを徹底。「右方向に打つ時、割と下半身が使え始めたというのは一番大きいんじゃないかな。長いバットを持って、ヘッドの使い方を自然に覚えた感じはしますね」と納得する。

 常々指摘される課題は直球対策。DeNAとのCSファーストステージでは計3試合で代打の1打席しか立てず。「理由はただ1つ、速い球を打てないから」。指揮官はそう振り返る。「中谷もひとつ間違えれば試合に出られない状況ですから」とクギを刺すことも忘れなかったが、本音は「(来季主力に)なってほしいけどね」だ。

 今キャンプ実戦全3試合で1発を放った陽川への期待値も高い。今季はウエスタン・リーグで2年連続となる本塁打、打点の2冠に。「鳴尾浜のゴジラから甲子園のゴジラになって」とハッパをかける存在だ。本職三塁には鳥谷が君臨するが、指揮官は「トリもそろそろ休み休みでやってあげないといけない年。そういう面ではもちろんチャンスもある。一塁でもチャンスはある」と背中を押す。

 金本監督はキャンプMVP級の選手を問われ、小野や才木、大山と並んで2人の名前も挙げた。期待を全身で受け止め、本人たちの目はまたギラつく。中谷が「今年の成績では全然満足できない。毎年、何かの成績を上げていかないと」と気合を入れ直せば、陽川も「オフにしっかり準備をして、出遅れないようにしたい」と表情をキリリ。この2人が和製大砲待望論をかき消してくれれば、虎の未来は明るい。【佐井陽介】