DeNAへ移籍した大和内野手(30)の人的補償で阪神に加入した尾仲祐哉投手(22)が18日、打倒DeNAに貢献することを誓った。兵庫・西宮市内の球団事務所で入団会見に臨み、古巣選手の性格や癖などについて「優勝するためには、そういう情報は欠かせない」ときっぱり。遠慮なく阪神に持ち込み、勝利に貢献する意向を示した。今オフDeNAで更改した来季年俸920万円を引き継ぎ、背番号は27に決定した。(金額は推定)

 尾仲は分かっていた。来季もライバル関係が続くであろう、両球団の間の移籍。グラウンドでのプレーが第一だが、それ以外にも求められるものがある。そんな状況を理解した上で、頼もしい言葉を口にした。

 尾仲 もうチームは阪神なんで。リーグ優勝するためには、そういう(DeNA選手の特性など)情報は欠かせないと思う。

 遠慮なく、内部でしか知り得ない情報の提供に前向きな姿勢を示した。今季プロ1年目を終えたばかりだが、通算で1カ月以上1軍に同行した。また寮生活を送って、今永、浜口の難敵左腕コンビと同じ釜の飯を食べてきた。ユニホームを脱いだときの個性も人一倍知っている。これに限らず、阪神に役立つ情報は惜しみなく披露するつもりだ。

 今季は阪神が直接対決で14勝10敗1分けと勝ち越し、順位も上だった。しかしCSファーストステージでは下克上を食らった。相手は若手中心で伸び盛り。わずかな情報でも欲しいというのが阪神の本音だろう。もちろん、情報屋で終わるつもりはない。

 尾仲 今年はそんなにいい成績を残すことができなかった。来年はチームの優勝に貢献できるように頑張りたい。

 最速151キロのストレートを武器にテンポよく投げるスタイル。チームメートになる藤川のように真っすぐで勝負できる投手を理想に掲げた。筒香、宮崎ら古巣の強打者斬りにも意欲的で「そういうバッターを抑えて1軍に生き残れるようにしたい」と意気込んだ。谷本球団副社長兼球団本部長は「監督の、先発でいけるんじゃないですかというコメントの通り、そこを目指していってほしいですね」と期待。チームの補強ポイントだった、先発ローテに食い込む活躍を願った。

 初めて関西に住むことになる尾仲は「どこに何があるか分からない。(まず)髪を切る場所を見つけたいと思います」と笑った。すでに今季1軍で1勝を挙げた右腕が、グラウンド内外を問わず打倒DeNAの戦力になる。【山川智之】

 ◆尾仲祐哉(おなか・ゆうや)1995年(平7)1月31日生まれ、福岡県出身。高稜-広島経大を経て16年ドラフト6位でDeNA入団。150キロ台の速球とスライダーの切れに定評がある。DeNAが史上初めて3者連続本塁打によるサヨナラ勝ちを収めた、8月22日広島戦でプロ初勝利を挙げた。173センチ、72キロ。右投げ左打ち。