中日が獲得に向けた調査している前ソフトバンク松坂大輔投手(37)の入団テストを実施することになった。20日、名古屋市内の中日新聞本社で球団の定例取締役会が行われた。取材に応じた白井文吾オーナー(89=中日新聞社会長)は「(松坂の)調査を進めているという報告を受けた。よく確かめてから取る、取らないを決めたいと。監督、コーチなどの決定に任せる」と話した。前日19日には「賞味期限が切れておる」と話すなど獲得に否定的だったが、取締役会で西山球団代表から報告を受け、態度を軟化させた。

 球団では最近の投球映像を見て、復活の目が十分にあると判断したようだ。球界関係者によると、現役続行を強く望む松坂は1軍最低保証の年俸(1430万円)ものむ覚悟を示しているとされる。ソフトバンクの3年間では1軍登板は1試合にとどまったが、「平成の怪物」に対する世間の注目度は高い。白井オーナーは「最初から織り込み済みじゃないですか。(集客力は)言うことない」とうなずいた。

 松坂は米国でトレーニング中で、入団テストの実施は年明けになりそうだ。白井オーナーは「2、3日中にはいつ、どこで(テストする)ということが決まると思う」と話し、テストの合否は、2月1日から始まる春季キャンプまでには決まるとの見通しを示した。獲得に否定的な見解を述べていた同オーナーが一転して理解を示したことで、「中日松坂」は誕生に大きく前進した。【宮崎えり子】