森新監督を迎えて出直しを図った中日だったが、5位で5年連続Bクラスに終わった。6月3日に荒木が通算2000安打を達成。8月6日には岩瀬がプロ野球新記録の950試合登板を果たした。ルーキー京田が新人王を獲得したものの、ベテランが目立ったシーズンだった。担当記者の印象に残った言葉は…。

 

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▽森監督「今日は俺は一番すがすがしい試合だと思っているよ。ちょっとお客さんには失礼かとも思うけど。この先、みんなにいい思いをさせるときが来るでしょう」(6月16日、西武菊池との志願の投げ合いで炎上した小笠原。8回まで続投させた指揮官は、終盤に意地を見せた19歳左腕の未来を確信した=柏原誠)

 

▽京田「(プロ初安打の記念球は)記念に持っておこうと思いますけど価値はない。もう1本打てたと思うので」(3月31日巨人戦で新人ながら開幕スタメン。決して満足しない姿が新人王につながった=宮崎えり子)

 

▽荒木「33本のおかげで2000本打てたって感じですね」(6月3日、節目の一打に。通算33本塁打は2000安打到達者で最少。欲をかかず小技を磨いてきた22年間=柏原誠)

 

▽鈴木「今年は何としても結果を残したかった。こうして浜松で勝たせてもらった。少しでも成長した姿が見せられたと思う」(6月27日阪神戦、地元・浜松での初勝利。流した一筋の涙に、入団から苦しんだ3年間が込められていた=宮崎えり子)

 

▽岩瀬「最初がああいう形で、川上憲伸に『人生狂わされた』と言われた。これだけ重いものを背負っているのかと。ホッとする瞬間はない」(99年のプロ初登板で1死も取れず、開幕投手川上の勝ちを消した。そこから積み上げ、8月6日に前人未到の950試合登板を達成。今季954試合まで延ばした。大記録達成の直前に精神的な苦労を語った=柏原誠)

 

▽森野「高校からドラフトで入って、少し大人になって野球を終われた。正直、練習しか思い出にない。優勝、日本一も経験した。野球選手は勝って輝くんだと思う」(9月24日広島戦で引退試合を迎えた。強い中日を支えた裏には努力があった=宮崎えり子)

 

▽ゲレーロ「中日は最初のチームで愛着もある。とても感謝している。戻りたい気持ちはあるが、これはビジネス」(10月7日、離日に際して。日ごろ中日愛を強調していたが、最も高く評価された球団に行く意思は固かった。2カ月後、巨人移籍が判明=柏原誠)

 

▽大野奨「谷元さんから中日は心の澄んだ選手が多いと聞いています。悪いことじゃないと思う。まずはその言葉を信じたい」(12月13日の入団会見で。日本ハムから先に中日入りしていた谷元のチーム情報がユニークだった=柏原誠)

 

▽西山球団代表「ノーコメント。何も話しません。今はドアラの契約更改で頭がいっぱい」(松坂獲得の可能性について最後までノーコメントを貫いた。しつこい報道陣に、とっさにドアラの名前を使って逃げ切りに成功=柏原誠)