キャプテンじゃなく、大将と呼んで! 来季から新主将となる日本ハム中田翔内野手(28)が29日、チームメートへ珍要求を出した。野球人生で初めての主将就任に、「キャプテン」ではなく、チーム内で言われている「大将」の呼称を提案した。11年目の来季も型にはまらない自身のスタイルを崩さずチームを引っ張る。中田流のリーダー像を思い描き、V奪回へ向かう。

 肩肘張らずに自然体でプレーするために、中田がいつもと変わらない呼称を求めた。「キャプテンと呼ばれるのは嫌。『大将』でいいんじゃない」と苦笑いを浮かべながら逆提案した。3、4年前からチーム内では先輩、後輩を問わずに「大将」と親しみを込めて呼ばれている。野球人生初のキャプテンという肩書を、中田流にして当てはめた。

 思い切った主将抜てきは、栗山監督が掲げる「中田再生計画」の1つだ。「翔は自分のことより誰かのための方が頑張れる。今季力を出せなかった要因は必ずあるはずだから」と見極めた指揮官から、11月25日に直接、通達された。約1カ月が経過し、理想とするキャプテン像も固まってきたのか。「全くない。キャプテンなんて、やったことないし。興味もなかったからね」と、中田大将の主将道はわが道を行くつもり。「僕も若いときはノビノビやらせてもらったので、そういうスタイルは崩したくない」と、ぼんやりとチームを引っ張っていく形は見えつつあるようだ。

 年が明ければ、新たな立場でのシーズンが始まる。「キャプテン…なんなのかなって思うけどね。キャプテン、いるのかな…」と、まだ戸惑いは残るようだが、そうも言っていられない。どんな肩書であれ、目指すのは2年ぶりのリーグ制覇と日本一奪回。「日本ハムは、みんなで助け合ってきたチームだから」。主将という堅苦しさを取っ払う中田大将を中心に、手を取り合って頂点まで駆け上がる。【木下大輔】