日本ハムのドラフト7位・宮台康平投手(22=東大)が、自身の「アイデンティティー」を携えプロ生活をスタートさせた。7日、千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮。法学部で重宝した六法全書の小型版「ポケット六法」を持ち込み「僕のアイデンティティーなので」とした。9日から新人合同自主トレがスタート。最高学府の頭脳を生かしながら、プロでもトップレベルを目指す。

 秀才左腕が携えたのは、自身を象徴する1冊だった。宮台が、六法全書の小型版「ポケット六法」を持ち込み、入寮。「あまり開かないと思いますけど、僕のアイデンティティーなので」。アイデンティティー=自分らしさと、独特の言い回しで話した。東大ではテストを控えていた遠征時も持参。「今日のために、みんな1人1個持ってくるので、僕はこれかな? と思って。勉強する時だけ。普段は見てないです」と笑ったが、自らをPRするには十分のアイテムだった。

 プロでも、根底には勉学精神を燃やしていく。使い込まれた16年度のポケット六法を筆頭に、筋肉科学に精通する東大・石井直方教授の書籍や、知人から薦められた小説など約10冊を持ち込んだ。「いろんなことを言われると思うので、まずはその引き出しになるように自分の中で勉強したい。基礎の部分を学んでいこうかなという意味で買いました」。学ぶことへの飽くなき向上心は大切にしていく。

 読書時間を含めた、充実の寮生活に心躍らせる。寮の部屋は、新入団選手が多い4階。エンゼルス入団まで拠点を置く大谷が「近隣」にいると聞き「見られることがうれしい」と胸をときめかせた。「ファイターズのプロの選手と同じ空間で練習できるということが、自分にとって新鮮。また、清宮君をはじめルーキーの人たちとは切磋琢磨(せっさたくま)していくことが新しい挑戦なので、そこが自分にとってはワクワクしているところです」と興奮を隠さなかった。

 明日9日から、新人合同自主トレがスタート。「何もかもが初めてなので、とにかく生活に慣れて自分でリズムだったり、こういうものかというものをつかんで、しっかり(2月の)キャンプに入れるようにしたいです」。最高学府で歩んできた確かな足取りで、プロでもトップレベルに向かって進んでいく。【田中彩友美】