新4番は規格外! 阪神ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国・ハンファ)がキャンプ2日目、思わぬ形で注目を浴びた。3カ所でフリー打撃を行った際、打撃ケージが狭すぎた。フォロースルーのバットが2度ネットに引っかかり、各ケージを三塁方向にズラす作業を要した。

 「ボールをコンタクトしたら、しっかり腕を上に回して大きくスイングするようにしているからね」

 練習後は思わず苦笑いだ。自らホームベースを前にズラし、ネットへの衝突を避けようと工夫もした。「向こう(米国や韓国)のケージは大きいので、そんなことはなかったんだけどね」。それでも62スイングで柵越え16本。右方向にも2発放り込んだ。バットをネットに引っかけながら左翼席まで運ぶ場面も。メジャー級長距離砲ならではのフォロースルーで驚かせた。

 前夜は選手宿舎内の食事会場でドッキリを食らっていた。金本監督がマテオ、ドリスのドミニカ共和国コンビに「チンタラしてたら去年みたいにぶん殴るぞ!」と激怒。ドリスは「ちゃんとやります」と恐縮し、「オマエもだ!」と矛先を向けられたマテオも「勘弁してください」と泣きついた。空気が凍りつく中、ロサリオは顔面蒼白(そうはく)…。

 実は3人とも打ち合わせ通りの演技。「韓国(ハンファ)の監督、めっちゃ怖かったらしい。金星根さん(現ソフトバンク・コーチングアドバイザー)。それで『阪神の監督はどうなんだ?』とすごく気にしてて…。『あれ以上だ』とドリスに言わせたら、めっちゃビビってオレと目を合わせないんよ」。発案者の指揮官はニヤリと笑っていた。

 新助っ人の恐怖心を逆手にとってのドッキリは大成功。R砲は「あれは最悪だったよ! でも最終的に仲良くなれて良かった。(監督は)いい人だね」と照れ笑いした。指揮官の粋な計らいで一気にナインとの距離も詰め、前途洋々のスタートだ。【佐井陽介】