今季に懸ける思いの表れだった。3年ぶりの1軍春季キャンプ(浦添)スタートのヤクルト由規投手(28)が3日、プロ入り初の3日連続ブルペン入りを志願し、変化球も交えて51球を投げた。初日から65球、126球と投げ込み、3日間で合計242球。「ここで1回グッと上げたかった。肩のストレスがほぼない状態で、納得のいく球が3日間結構あった」と笑った。

 最速161キロ。かつての日本人最速右腕は、11年から右肩痛と闘ってきた。13年の手術後も、リハビリの日々。「投げたい」との純な思いが支えだった。昨季は登板間隔を空けながら10試合に登板し3勝5敗。復活への階段を上りだした。

 このオフは筋力トレーニングで3キロ増量し土台を固めた。投球フォームも下半身主導を意識し、シャドー投球を繰り返した。「地味なことをしてきました」と照れつつ「下を使って腕が出てきている。良い傾向。やろうとしていることが形になってる」とうなずいた。

 開幕ローテーション入りを目指し、紅白戦登板、打撃投手と対打者の感覚を磨いていく。「去年あれだけ負けて、それでもファンの人は応援してくれた。同じような姿は見せられない自覚を持って臨んでいる。実力で(開幕ローテに)入れるようにしたい」。由規の完全復活が、再起を期すヤクルトにとって何よりの追い風になる。【浜本卓也】