「幕張のワギータ」の初弾が右翼へ突き刺さった。ロッテの育成ドラフト1位、和田康士朗外野手(19=BC富山)が6日、シート打撃で右越え2ランを放った。昨年WBC台湾代表入りした左腕チェンの内角高め直球を強振。「僕は振らないと魅力がなくなる。自分のスイングができました」と胸を張った。

 細身ながら体全体を使うフルスイングはソフトバンク柳田が手本。独立リーグ時代に同僚だったDeNAバリオスにギータならぬワギータと名付けられた。キャンプの特別講師で、体に合った効果的な動きを目指す「4スタンス理論」提唱者の広戸聡一氏によれば、柳田と和田の体は重心がつま先外側にかかる同タイプ。同氏の助言で左股関節に力を入れ、軸足を安定させるようにフォームを改良。「変えてすぐにホームラン。良かった」と笑顔だ。

 この日は、昨年BC富山のチームメートだったテスト生、フランシスコ・ぺゲロ外野手(29)とアベック弾。「ペゲロが入団して、僕が支配下に上がれたら一番いい。焦らずやっていきたいです」。埼玉・小川高では陸上部に所属し、野球はクラブチームで続けたという異色ルーキーが、ドラフト1位安田より早く“1号”を打った。チームスローガンの「マクレ」どおり、背番号3ケタから前を走る選手たちをマクリにかかる。【鎌田良美】