バックスクリーン破壊! 阪神の新助っ人ウィリン・ロサリオ内野手(29=韓国・ハンファ)が26日、沖縄・宜野座キャンプのフリー打撃で驚異の打球を放った。金本監督も公認の推定150メートル弾で電光掲示板を破壊。本拠地の甲子園で同様の打球を放てばバックスクリーン下の特設スペース「CoCo PARK」に飛び込み、入店しているお客さんの飲食代金が無料になる。ロサリオ伝説に楽しみが膨らむばかりだ。

 ガシャンッ! ロサリオの32スイング目だった。グイッと高く上がった白球は、風にも流されバックスクリーン上部に直撃。すると、黄色に光っていた一部分が真っ黒に変わった。電光掲示板を破壊する推定150メートル弾。これには金本監督も「エッ、見てない」と言いつつも、すぐに「電気、ついてないん? 壊れたん?」とバックスクリーンを確認した。

 本拠地の甲子園で同様の打球を放てばバックスクリーンにある場内飲食店「CoCo PARK」に飛び込み、飲食中のお客さんが無料になる。それを聞いたロサリオは「まずは1回、そこに食べに行きたい。招待してもらえたらと思います。おいしかったら、狙いたい」とご機嫌。まだ過去に誰も打ったことがない「CoCo PARK」弾への期待が膨らむ。

 ただし、電光掲示板の破壊は今回が初めてかと問われたロサリオは「どう思いますか?」とニヤリ。報道陣に逆質問すると、すぐに「日本では初めてですが、以前にもありました。風に助けられた部分もありますけど」と過去にも破壊したことがあると明かした。投げた嘉勢打撃投手も「コースは真ん中だったけど、会心ではなく、少し詰まっていた」と証言するほど、恐るべき怪力だった。

 ロサリオの一撃に困ったのは宜野座村役場だ。“破壊弾”の情報を聞くと、すぐさま緊急会議を行い、電光掲示板を修理する方向で決定。担当者は「今回のお金のことはまだ決まっていませんが…。13年に電光掲示板を造った時には、約1億2000万円の費用がかかりました」と説明した。

 この日のフリー打撃では56スイングで14本の柵越え。どれだけ打球を飛ばそうが、どれだけ破壊しようが…。宜野座だけでなく、甲子園でも打ってくれれば、虎党を満足させられる。【真柴健】

<キャンプのロサリオ伝説>

 ▼TVクルー直撃 3日のフリー打撃で、左中間へのライナーが芝生席上方の通路で撮影していたテレビクルーのカメラの三脚を直撃した。

 ▼歴代“最長不倒” 8日のフリー打撃で左翼場外に、球団史上“最長不倒”となる推定飛距離170メートルの1発。防球ネットを越えて背後の一般道へ。走行中のタクシーを直撃するところだった。球団は急きょ注意をうながす看板を立てるなどの措置をとった。

 ▼時計直撃 13日のフリー打撃ではバックスクリーンの時計を直撃する一撃。