今日こそ星野さんにささげるオープン戦1勝!! 阪神は中日戦(甲子園)で先発左腕小笠原を攻略できず完敗した。全体的に打線が低調で、オープン戦開幕から6連敗。金本知憲監督(49)は調子が上がらない中谷将大外野手(25)に途中交代を命じるなど、引き締めを図った。今日10日は1月4日に急逝した03年優勝監督の星野仙一氏(享年70)の追悼試合。闘将仕込みの執念プレーで、白星をつかみたいところだ。

 寒さが肌を刺す甲子園が唯一、盛り上がったのは敗色濃厚の9回2死走者なしからだった。4連打などで一挙2点。7日DeNA戦と同じシチュエーションに持ち込んで一矢報いたが、金本監督の表情は渋いままだ。「どうやろ。もうひとつでしょう、調子は…」。無理はない。若手主体のオーダーで臨んだが、中日小笠原の球威になすすべなく、7回までわずか2安打で無得点に抑え込まれた。

 これでオープン戦開幕戦から白星なしの6連敗にのびた。特に2月の沖縄・宜野座キャンプ終了後、3月の実戦で打線が湿ったまま。片岡ヘッド兼打撃コーチも「全体的に低調。キャンプの疲れからか、振れていない。アピールを期待しているが、スイングも全体的に差し込まれている」と嘆いた。今春は二塁、中堅など複数ポジションでレギュラーを競うが、勢いある有力候補が現れない。

 その象徴は中谷だった。2回は小笠原の速球に苦心し、ファウルで逃げるのが精いっぱい。最後は外角速球に空を切った。5回は初球の高めチェンジアップに飛びついて二飛…。この直後、金本監督は左翼に緒方を送り込み、途中交代を命じた。指揮官も断じた。

 「緒方を見たいのもあるし(中谷は)アウトになり方がずっと同じ。速い球に差し込まれ、初球から変化球というか、ボール球に止まらない。今の状態じゃ厳しいわ。見ていて、打てる気がせんわね。打ちそうな雰囲気もない」

 昨季、チーム最多の20本塁打を放ち、今春キャンプ序盤も打撃の形で高評価されていたが、最近の実戦は豪快さに欠け、思うような結果が出ない。今年初めて試合途中に交代。低調なスラッガーに活を入れた格好だ。指揮官は「相手が研究して弱点が分かってきて、それに対応できていない」と続けた。この時期は白星よりも内容を重視するが敵を圧倒する勢いがほしい。

 今日10日は03年の阪神優勝監督で1月に逝去した星野仙一氏の追悼試合だ。金本監督も常々「しっかり思いを込めて戦いたい」と話してきた。気迫、執念、意地…。白球に思いを込めて、闘将にささげる白星をつかみにいく。【酒井俊作】