ロッテにテスト入団した大隣憲司投手(33=前ソフトバンク)が10日、タマホームスタジアム筑後で行われたソフトバンク戦に2番手で登板。3回2安打無失点と好投し、目標のローテーション入りへ1歩前進した。2月の練習試合でも古巣を相手に2回無失点。闘志をあおるため、再び意図的にソフトバンク戦に当てた井口監督は「まっすぐのキレがどんどん出てきている。状態を上げてくればローテもあるので、それを目標にやってもらいたい」と期待した。

 この日は女房役の田村と全球種を使うことを確認。「カーブ、チェンジアップ、スライダー。コース、高さに要求通りに投げられたので抑えることができた」。5回に吉村を136キロ直球で空振り三振に仕留めると、6回2死一塁ではスライダーを引っ掛けさせ、中村晃を二ゴロに切った。

 実は大隣には1つ悩みがある。この福岡遠征で、今年1月末から会っていなかった1歳7カ月の長男と再会。すると子供が顔を覚えていなかったという。「ショックです。昨日、泣きまくられて。さっきも会いましたけど、全然抱っこさせてくれない」と苦笑いだ。

 「また覚えてもらえるように頑張ります」。それにはローテ入りし、テレビにたくさん映ることが大事。「今後はイニングが増えていくと思うので。強い球を継続して投げられるように、スタミナを意識して練習をしていきたい」。石垣島キャンプ中の腰痛のため、投げ込みは不足している。遅れた分を取り戻し、先発の一角の座を勝ち取るつもりだ。【千葉修宏】