正捕手を狙う阪神原口が好リードで評価を高めた。この日は秋山とコンビを組み、巧みなインサイドワークが光る。主戦の右腕を5イニングでわずか1安打、7奪三振の快投に導き、金本監督も思わずうなった。

 「今日は、やっぱり原口のリードだと思うね。ものすごくうまく秋山の良さというのを、引き出したね。ちゃんと意図ある球で、内外、緩急をつけて『内かな、外かな』というところでスッと落としたりとかね」

 1回1死二塁。中日大島への2球目だ。外角低めにカーブでストライク。重心を前のめりにさせ、内角ボールを挟んで、最後は懐をえぐるカットボールで二飛に抑えた。4回の再戦では高低で揺さぶり、最後はインハイ速球で完全に詰まらせた三邪飛だった。中日NO・1ヒットマンを完全に翻弄(ほんろう)。内外高低を駆使し、幻惑させた。

 今春から捕手に再転向した。昨季は主に一塁を守ったが、1年のブランクを感じさせない。指揮官は「(打者は)絞りにくいし、タイミングを合わせにくいと思うわ。今日の原口のリードを参考にしてほしいよね、うちのチームは」と絶賛した。梅野、坂本らと定位置を競う立場の原口は「アキ(秋山)がしっかり投げてくれるので」と謙遜。激しいバトルで存在感を示した。【酒井俊作】