開幕遊撃をグイッと引き寄せた! 阪神糸原健斗内野手(25)が途中出場で2安打3打点の活躍を見せた。9点を追う6回無死満塁で代打で登場。梅野の外角150キロの直球を左翼線にはじき返す2点適時二塁打を決めた。7回も1死満塁から左翼へ2打席連続タイムリー。「チャンスで打てたのが一番大きい。集中して打てました」と充実の表情だ。

 キャンプからの実戦打率は3割7分5厘まで上昇。守備も堅実で、西岡らとの遊撃争いの中でも一気にリードを広げた。この日のヒットは2本とも逆方向。「コースに逆らわずに打てたのがよかったです」。オープン戦は9試合で9安打。内訳は右方向に4本、センター方向へ2本、左方向へ3本と広角に打ち分けている。この確実性も魅力的要素の1つだ。

 巨人菅野撃ちへも期待は高まる。30日巨人との開幕戦(東京ドーム)には絶対的エースの右腕菅野が立ちはだかる。対菅野へのキーマンとして、金本監督が糸原のミート力を買う可能性は十分ある。

 2月の沖縄・宜野座キャンプでは、金本監督にチーム屈指の打力を評価され、ロサリオになぞらえて「小サリオ」と名付けられた。この日、金本監督も結果を残している糸原について「“小サリオ”? 本人もその気になっているんちゃうか?」とにんまり。開幕の遊撃スタメンを決定づけるべく、好調キープで開幕まで突っ走る。【古財稜明】