日本ハム栗山英樹監督(56)は闘将の教えを胸に秘め、覇権奪回を果たす。19日、都内で行われた星野仙一氏のお別れ会に出席。「監督とはこうなんだと直に教えてくれたのは星野さんだけだった」。脳裏に数々の思い出がフラッシュバックする中で献花をして、星野氏と別れを告げた。

 監督就任前の解説者時代から、気にかけてもらった。「取材に行った時に、部屋に呼ばれて何時間も話したり、いろんなことが本当にあった」。当時聞いた監督業についての話を、今では毎日体感する日々だ。「例えば(試合中に)こっち(監督)の思考が止まる時ってあるという話をしてくれた。そういう時に準備や先読みが出来ていないと、次の指示が出せないし、だから準備が大事なんだという意味でとらえていた」と、闘将イズムは今でも栗山監督にも注入されている。

 開幕も近づき、大切な教えの通りに抜かりない準備をするつもりだ。開幕メンバーの選定については「最後まで、しっかり見極めたい」と、25日に終了するオープン戦以降も開幕までの2軍戦で若手を競わせる考えだ。

 今季から開幕戦でベンチ入り可能な出場選手登録名簿の公示が開幕2日前から前日に変更。「システムを生かさせてもらう」と、昨季から1日増えた悩める時間を有効活用する。野手陣は若手の競争も激しい。開幕から誰を抜てきすれば、リーグ制覇の近道になるのか-。開幕1軍入りの可能性を模索する療養中のドラフト1位清宮幸太郎内野手(18=早実)も含めて、ギリギリまで考え尽くす。【木下大輔】