楽天藤平尚真投手(19)が、開幕3戦目のロッテ戦(ZOZOマリン)の先発に内定した。プロ2年目でつかんだ初の開幕ローテ。先発した西武とのオープン戦(メットライフドーム)では、新球チェンジアップで秋山から空振りを奪い、手応えをつかんだ。気温1度の悪条件の中で5回7安打1失点。新たな武器を手に、2年目のシーズンを戦う。

 18年のスタートは、原点の場だ。藤平が、開幕3戦目の4月1日ロッテ戦(ZOZOマリン)に内定した。ルーキーイヤーの昨季、プロ初勝利を挙げた思い出の場所。千葉出身であり、君津・吉野小6年時には、ロッテのマリーンズジュニアに所属した藤平にとって、なじみ深い舞台が用意された。

 藤平 開幕ローテに入ることは通過点と思わないと数字や結果も付いてこない。その上で1年間、1軍でいることが大事。

 解禁した新球チェンジアップに、今季の活躍の確信を得た。西武とのオープン戦の1点リードの4回2死三塁だった。球界屈指の好打者・秋山を迎えた。カウント2-1からの4球目。外へ逃げながら、沈む軌道の球で空振りを誘った。結果的に四球としたが、表情は高揚感に満ちていた。

 藤平 空振りが少ないバッターから、ああいう反応を見られたことが一番の収穫と感じられた。あの1球の精度をもっと上げていけば。他の打者への意識づけにもなる。

 今オフから練習に取り組んできた。先輩の辛島に握り方を教わり、岸にもコツを尋ねた。その上で「ボールを抜くというより、切る感じ」と自分なりのイメージをつかんだ。狙いは省エネ投法。「自分は右打者の外角の直球、スライダーが持ち味。だけどチェンジアップを左の外だけでなく、右打者の外にも使えたらゴロを増やすことも出来る。そうすれば、完投や完封も見えてくる」と青写真を描く。

 大雪に見舞われ、気温1度まで冷え込んだメットライフドーム。毎回得点圏に走者を背負ったが、得意の右打者への外角スライダーを中心に9奪三振と要所で存在感を示した。5回121球を要しながら、7安打1失点。藤平は「チェンジアップも手応えをつかんだし、直球もスライダーもいい感じ。このまま調整していけば大丈夫」と10代とは思えないほど、頼もしかった。121分の1に、18年の期待感が詰まっていた。【栗田尚樹】