楽天則本が、万全の状態で開幕に向かう。5安打、3四球、4回以外は毎回走者を背負う展開ながら、6回を無失点。最速153キロの直球を軸に、ベース板でストンと落とすフォーク、鋭利に曲がるスライダーを絡め7三振と要所で打者を圧倒した。開幕前最後の登板を実りのある102球で終えた。「やりたいことは出来なかったけど、開幕までに修正ポイントを確認してやりたい」と残り1週間で究極を目指す。

 課題は投球フォームのバランスだ。「ランナーを出してからの方が良かった。ワインドアップでしっかりと、出来ないといけない」。クイックモーションでは納得のいく投球だった。6回1死から二塁打、2個の四球で満塁のピンチを背負ったが、岡本をフォークで空振り三振、続く長野も151キロ直球でバットの芯を外し一ゴロに抑えるなど、慌てることはなかった。

 一方でワインドアップでは、思うようなボールが投げられなかった。フォークが抜け、直球もシュート回転することがあった。「ブルペンで出来ていることを試合でやらないと意味がない」と細部を詰めていく。梨田監督は「いろいろと課題はあるんだろうけど、問題はない」。地道な準備で、2年ぶり5度目の大役を全うする。【栗田尚樹】